亜急性甲状腺炎

耳鼻科でたまに遭遇する疾患。

30歳以上の女性に多く、原因は不明。ウイルスが原因とも言われている。

症状

発熱、有痛性の硬結、圧痛。硬結は甲状腺内を移動する。

検査

採血:赤沈高値、CRP高値、WBC正常、T3・T4の上昇、TSHの低下、Tgの上昇

超音波:境界不明瞭な低エコー

甲状腺シンチ:I摂取率の激減

治療

多くは3ヶ月以内に改善する。

抗炎症剤(ロキソニンなど)、ステロイドなどを用いる。

動悸などが出る場合にはβ遮断薬(インデラルなど)を用いる。

 

甲状腺(喉仏の下あたり)の痛みを感じたら要注意。

 

参考に・・・

 

甲状腺腫瘍腫瘍診療ガイドライン 2010年度版   日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会

甲状腺癌取扱い規約 第7版 2015年 日本甲状腺外科学会

甲状腺結節取扱い診療ガイドライン 2013 日本甲状腺学会

 

UICC(Union for International Cancer Control)は2017年に第8版が発表され、新しくなっている。甲状腺乳頭癌の分類が45歳から55歳へと変更となっていたりするので、一度ご確認を。

それでは。

鼻・副鼻腔手術

耳鼻咽喉科でよく行われる鼻・副鼻腔手術をまとめました。

鼻づまりを治すため、鼻のなかの鼻中隔というところの曲がりを治す手術。

慢性的な副鼻腔炎などを治す手術などありますが、一般的なものを紹介します。

まずは鼻の解剖について説明します。

副鼻腔には4つの部屋があって、ほっぺに痛みがあったり、重い感じがする時は上顎洞に膿がたまっているかもしれません。

 

手術中に使う器械です。

たくさん種種ありますが、部位によって使い分けていきます。

 

次に手術に関して簡単に説明します。

以上が一般的なものです。

今は内視鏡などが発達して鼻の穴から手術できて傷が残りません。

 

他の亜型などはまた今度。

味覚障害

外来で、「味がしないんです、いつもと味覚が違います、、、」という主訴で来院される方がいます。

味覚障害の可能性があります。

食事は人生の楽しみの一つ!!しっかり治したいですよね。

頭部外傷が原因でなる場合などありますが、今回、耳鼻咽喉科領域の低亜鉛血症を中心についてまとめてみます。

 

まずは診断基準を見てみましょう。

 

3大原因:特発性、亜鉛欠乏症、薬剤性  

他にも感冒罹患後、全身疾患によるもの、鉄欠乏、手術後(鼓室形成術、扁摘、喉頭微細手術)、心因性、口腔・唾液性疾患、中枢神経障害など

 

日本臨床栄養学会の「亜鉛欠乏症の診療指針」において、基準80-130μg/dlとすることが適切であり、60-80μg/dlを潜在性亜鉛欠乏、60μg/dl未満を亜鉛欠乏としています。

この中で鉄欠乏性、心因性、外傷性を除き、50-70%が亜鉛不足(血清亜鉛濃度≦70μg)であったことが示されております。

阪上 医学のあゆみ 2005;214(49:275-279

 

日本臨床栄養学会の「亜鉛欠乏症の診療指針」

 

 

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つまり亜鉛欠乏が多いってことです。すごい割合です。

採血で亜鉛がどれくらい体内にあるのかチェックしましょう。

 

他の検査はどういうのがあるのかというと・・・

電気味覚検査法

濾紙ディスク法

 

このような検査を組み合わせて調べることもあります。

 

治療としては亜鉛剤(プロマック、ノベルジンなど)の補給、漢方(補中益気湯、十全大補湯、八味地黄丸、五苓散など)を行います。

 

まれな病気として、ビタミンB12吸収障害によるHunter舌炎、特発性肥厚性硬膜円、Cronkheit-Canada病、ベーチェット病などの可能性もあるので、病院を受診しましょう。

 

重篤副作用疾患別マニュアル-薬物性味覚障害-(案) 参考にどうぞ。

味覚障害を起こす薬物など載っています。

それでは。