人工内耳に関して概略します。
補聴器の効果がない難聴児の耳の代わりとなるものです。
音のない世界に音を生み出す人工内耳。
素晴らしいものではないですか?
(コクレア社のHPより拝借)
通常音は、①の外耳道から入り、鼓膜を振動させ、②の耳小骨に伝わり、③の蝸牛に伝わります。その中の有毛細胞の振動により脳に聴神経を通り信号を送ります。
一方、人工内耳は①②のサウンドプロセッサのマイクロフォンが音を拾い、デジタル信号に変換し、皮膚の下のインプラントに送ります。
それをインプラントが電気インパルスに変換し、蝸牛内の電極アレイに送ります。その電極が聴神経を刺激し、脳に伝えます。
以下の3つの会社が有名であり多くのシェアを閉めています。
Cochlear コクレア社
スピーチプロセッサ:Nucleus 6(耳掛け型)/KANSO(コイル一体型)
インプラント:Profile 電極24(アース含む) チャンネル22
MEDEL メドエル社
スピーチプロセッサ:SONNET(耳掛け型)/OPUS(耳掛け型)/RONDO(コイル一体型)
インプラント:CONCERTO 電極(FLEXシリーズ)19 チャンネル12
Advanced Bionics アドバンスト・バイオニクス社
スピーチプロセッサ:ナイーダCI(耳掛け型)/ハーモニー(耳掛け型)/ネプチューン(水泳可能)
インプラント:ハイレゾ90KTM アドバンテージ 電極(ハイフォーカスミッドスカラ、1j) チャンネル16
人工内耳の適応に関しては以下の通りです。
成人の場合
- 裸耳での聴力検査で平均聴力レベル(500Hz、1000Hz、2000Hz)が90dB以上の重度感音難聴 平均聴力レベルが70dB以上、90dB未満で、なおかつ適切な補聴器装用を行った上で、装用下の最高語音明瞭度が50%以下の高度感音難聴
- 蝸牛に電極が挿入できるスペースがある医学的に全身の問題がなく、手術可能である
- 言語習得後に失聴の場合両耳聴の実現のため人工内耳の両耳装用が有用な場合にはこれを否定しない
- 上記以外の場合でも患者の背景を考慮し、適応を総合的に判断する事がある
成人人工内耳適応基準2017 日本耳科学会
小児の場合
- 原則1歳以上(体重8kg以上)
- 以下のいずれかに該当する場合
(1)裸耳での聴力検査で平均聴力レベルが90dB以上
(2)上記の条件が確認できない場合、6カ月以上の最適な補聴器装用を行った上で、装用下の平均聴力レベルが45dBよりも改善しない場合
(3)上記の条件が確認できない場合、6カ月以上の最適な補聴器装用を行った上で、装用下の最高語音明瞭度が50%未満の場合 - 家族の継続的な協力が見込まれる
- 療育機関との密接な連携が保たれる
- 両耳聴の実現のために人工内耳の両耳装用が有用な場合にはこれを否定しない
小児人工内耳適応基準2014 日本耳鼻咽喉科学会乳幼児委員会
以前載せた術後の注意点です。
手術してもすぐに聞こえるというわけでは無いんです。
そこから調整・リハビリを繰り返し、自分のものとしていくわけです。
最後にyoutubeに人工内耳に関してのものがあったので。
次回は違う観点からまとめていきます。
それでは。