医学教育-デブリーフィング-

学生時代に救命サークルで、教育方法とかを学んだことあり、それに関した論文読んだのでご紹介。

元々、Drになる前はケミストリーが好きで学校の先生になろうと思っていました。高校の化学の先生が好きで、授業も引き込まれていくようで、僕にとってカリスマだったんですね。

でも、いつのまにか・・・笑

今医療の世界でも教え方とか、普及とかたくさん研究されてて、そういう学会もあるんです。それに力を注いでいらっしゃる先生もたくさんいます。

僕も何回かご指導いただきました。指導・教育で人ってすごく変わるし、それを実感できるのがよかったです。

この分野を研究されているMassachusetts General HospitalのRudolph先生の論文を紹介します。

デブリーフィングとはある研究や実験を完了した時に被験者に与える説明のことです。

ブリーフィングで目標をたて、シナリオをこなし、最後にデブリーフィングとして、振り返るみたいなものでしょうか。

 

またRudolph先生の言っているFrameとは、、、

もともと人がもっている・考えていること。

これって変えるのはすごく難しいですよね。

指導者が学習者のFrameを理解して、実際のレベルと目標のレベルの差を埋めていくのです。

では実際の例で示してみます。

症例はGUN SHOTだそうです。銃の国、アメリカならではですね・・・・

再掲ですが、下記が4ステップです。

AllenのFrameが変わった!!

少しむずかしいですが、このようなことは日頃自分でもできることだと思います。「ぷちデブリーフィング」を自分で行うことで、自分自身を指導者・学習者にし、成長ができるのではないでしょうか。

また他の有名なものとして、こんな方法もあります。

医学の世界でも教育・指導法などもっと考えていきたいですね。

それでは。

 

遺伝性血管性浮腫(HAE)-え?すごく腫れてる-

耳鼻科診察をしているとまぶたや口びるなどが腫脹している患者さんに会いますよね。

他にも腸がむくんだり、手足がむくんだり、場合によっては、喉がむくんで(喉頭浮腫)、気管切開の緊急手術が必要になることがあります。

血管性浮腫にも色々な種類があります。

血管性浮腫:ドイツの医師クインケが報告したクインケ浮腫ですが、その中にはアレルギー性のもの、高血圧の薬(アンギオテンシン変換酵素阻害薬)によるもの、物理的刺激などありますが、今回は、遺伝性のものについて、まとめてみます。

   (HAE情報センターホームページより)

まずはガイドラインから。日本補体学会が2014年に出したガイドライン。

遺伝性血管性浮腫 (HAE) ガイドライン(改訂 2014 年版) 日本補体学会

 

HAEには3つのタイプがあります

・ I型(HAE全体の85%)常染色体優性遺伝
C1インヒビタータンパク量低値、C1インヒビター活性低値

・ II型(HAE全体の15%)常染色体優性遺伝
C1インヒビタータンパク量正常または上昇、C1インヒビター活性低値

・ III型(稀)エストロゲン依存性、ほとんど女性に発症、病態の詳細は不明であるが、一部には凝固第XII因子の変異を認める。
C1インヒビタータンパク量正常、C1インヒビター活性正常

※家族歴のない孤発例は、HAE全体の約25%に認められているらしいです。

診断のアルゴリズムは以下のよう。

 

(堀内孝彦著「今日の診療サポート」エルゼビア・ジャパン社 より抜粋)

 

C4、C1インヒビター活性でスクリーニングし、

C1インヒビター定量でⅠ型(低値)、Ⅱ型(正常)を鑑別します。

また、後天性血管性浮腫との鑑別は難しいとされていますが、C1qが低値なら後天性血管性浮腫といわれています。※ただし、遺伝性のものでも低値を示すことがある。

そのため、確定診断のためには遺伝子検査をという流れです。

 

治療にはトラネキサム酸、C1インヒビター補充療法(ベリナート)というものなどがあります。

喉頭浮腫で気管切開になる例もあるので本当に注意して下さい。

 

 

こんなサイトもあるみたいです。

医療者向け→  

一般向け→   

 

それでは。