味覚障害

外来で、「味がしないんです、いつもと味覚が違います、、、」という主訴で来院される方がいます。

味覚障害の可能性があります。

食事は人生の楽しみの一つ!!しっかり治したいですよね。

頭部外傷が原因でなる場合などありますが、今回、耳鼻咽喉科領域の低亜鉛血症を中心についてまとめてみます。

 

まずは診断基準を見てみましょう。

 

3大原因:特発性、亜鉛欠乏症、薬剤性  

他にも感冒罹患後、全身疾患によるもの、鉄欠乏、手術後(鼓室形成術、扁摘、喉頭微細手術)、心因性、口腔・唾液性疾患、中枢神経障害など

 

日本臨床栄養学会の「亜鉛欠乏症の診療指針」において、基準80-130μg/dlとすることが適切であり、60-80μg/dlを潜在性亜鉛欠乏、60μg/dl未満を亜鉛欠乏としています。

この中で鉄欠乏性、心因性、外傷性を除き、50-70%が亜鉛不足(血清亜鉛濃度≦70μg)であったことが示されております。

阪上 医学のあゆみ 2005;214(49:275-279

 

日本臨床栄養学会の「亜鉛欠乏症の診療指針」

 

 

↑ クリック ↑

つまり亜鉛欠乏が多いってことです。すごい割合です。

採血で亜鉛がどれくらい体内にあるのかチェックしましょう。

 

他の検査はどういうのがあるのかというと・・・

電気味覚検査法

濾紙ディスク法

 

このような検査を組み合わせて調べることもあります。

 

治療としては亜鉛剤(プロマック、ノベルジンなど)の補給、漢方(補中益気湯、十全大補湯、八味地黄丸、五苓散など)を行います。

 

まれな病気として、ビタミンB12吸収障害によるHunter舌炎、特発性肥厚性硬膜円、Cronkheit-Canada病、ベーチェット病などの可能性もあるので、病院を受診しましょう。

 

重篤副作用疾患別マニュアル-薬物性味覚障害-(案) 参考にどうぞ。

味覚障害を起こす薬物など載っています。

それでは。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です