結構小児の親から「全身麻酔、小さい子に大丈夫?」とか聞かれます。
また小児は風邪とかで全身麻酔かけられなく延期してしまうことも多いんですね。
小児中心に周術期の管理に関してどうなっているのでしょうか。
WHOから安全な手術のためのガイドラインが出ています。
WHO 安全な手術のためのガイドライン2009 日本麻酔科学会
術前2週間以内の風邪既往は術前2日以内の風邪症状の有無にかかわらず、術中呼吸器系合併症を増加させるそうです。
(小児”かぜ症候群”と全身麻酔 飯田 1994)
小さい子に全身麻酔をかけるかどうかも論文で論じていることもたくさんありますが、手術や麻酔によるメリット・デメリットを考えて行うこということでしょうか。
小児はもちろんタバコは吸いませんが、大人の手術の周術期のタバコに関してのガイドラインも載せておきます。
周術期禁煙ガイドライン2015 追補 日本麻酔科学会
10 項目の認識の確立が重要なポイントを載せます。
① 喫煙で種々の周術期合併症は増加し、術後の回復が遅延する。
② 術前患者には喫煙の有無を確認し、喫煙者には禁煙の意義と目的を理解させ、禁煙を促す。
③ 手術前のいつの時点からでも禁煙を開始することは意義がある。
④ 手術直前の禁煙でも周術期合併症の増加はみられない。
⑤ 可能な限り長期の術前禁煙は、周術期合併症をより減少させる。
⑥ 受動喫煙も能動喫煙と同様に手術患者に悪影響を及ぼす。
⑦ 敷地内禁煙などの無煙環境の確立は重要である。
⑧ 禁煙指導は術前禁煙を促進し、術後の再喫煙率を低下させる。
⑨ 周術期禁煙を契機とし、生涯の禁煙を目標にする。
⑩ 周術期医療チームや外科系医師、禁煙外来など他科や他職種と協同して周術期禁煙を推進する。
それでは、また次回。